Indeed/永富計吾


初訪問のロベサルは、ドイツ人移民が主に開拓したアデレード近郊の小さな街です。お世話になったハービック家もその血を引いています。堅苦しいと思いきや、まあ良く喋る事、それ以上に表現の大げさな事。何かすると wonderful、一つ一つに Oh good、語尾には必ずインディード。CFの歌は素晴らしい、indeed。このお土産は最高だよ、indeed。しかもそれをゆっくり噛み締める様に、必要以上に良い声で言うのです。話しているだけでこちらも何だか楽しくなってきます。そして気が付いたら自分もindeed。次の訪問都市では、私の話し方が少し変になっており、ファミリーに笑われてしまいました。
移民の四世代目であるジョンさんが「俺の曾祖父さんは木に住んでいたんだ。それを見に行こう」と、私達を農地が広がる丘陵地に連れて行って下さいました。でも意味が良く分かりません。何度か聞き返した私は、きっと林業かなにかで生計を立てて、ユーカリばかりの土地を開墾したのだろうな、と考えていました。「ここだ、着いた」フェンスに囲まれた場所に、一本の大きなユーカリの木がありました。「この木に五年間住んでいたんだ」私はその言葉を繰り返しました。木に住んでいた。ええ!言葉通りの意味なの?洞穴ならまだしも、木!確かに雨宿りくらいは出来そうな形だけれど・・。開拓史初期の1855年からここに住み結婚し、二人の子供も儲けた、と説明板にも書いてありました。私はジョンさんに言いました。I am so surprised, INDEED.
(ロベサルにて)